第35話「姿なき黒い手」
 このサブタイトルは非常に抽象的で、本編の全体的な雰囲気を表現していると言っていいでしょう。というのも、ミスターKは今回登場することなく、部下であるオルガとロリータがミスターKの意志の代行者として、実際の作戦発案・指揮を取っているからです。
 さて、前回のダリンジャー氏保護の為の戦いは、完全にレインボーマンの勝利に終わります。ロリータは、不甲斐ないDACのさらなる強化を企図し、特別訓練でDAC隊員を鍛え上げます。このシーンは珍妙ではありますが、なかなか恐ろしいものがあります。
 強化されたDAC隊員たちは、例の人間コピー装置により、なんとタケシを兄貴と仰ぐセミレギュラーの「ヤッパの鉄」と、カタギになる前に鉄が兄貴分として仕えていた頭に化けて暗躍し始めます。ホンモノの頭は、身体を壊して田舎へ帰っているという設定。DACモグラートにより、様々な場所が爆破事故に見舞われていくわけですが、タケシはことごとく後手に回ってしまいます。
 焦るタケシは、淑江さんの誕生日デートもすっぽかしてしまいますが、タケシの「レインボーマンだって人間なんだ。だから一緒に戦わなければならないんだ」という熱い心意気に、すっぽかされた淑江さんも納得し、タケシを送り出していきます。このくだりは、70年代の青春モノそのものであり、やはり子供番組からは逸脱していると思います。
 最後は、ホンモノのヤッパの鉄が、DACによりニセモノの鉄と間違えられて次の爆破現場を聞くことになり、タケシを呼び寄せて阻止しようとするシーンを展開。レインボーマンとなって駆けつけたタケシは、見事にDACを倒すのですが、爆破は起こってしまい…というところで幕。
 書ききれませんでしたが、この回は、タケシ、淑江さん、ヤッパの鉄が、三者三様に絡み合って、ストーリーを紡ぎ出すという、秀逸な筋運びになっています。
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